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「それが時代の流れとともに消えた。」
「消え行く幻の文化遺産、それが時代の流れね。」
「この家と共に残るはババアだけ。」
「ところでおばあちゃんはどこ。」
「多分隣の部屋だ、声は大声出さない方がいい。
煎餅布団の上で大の字になり寝巻きを着て寝てるよ。」
「まあ、寝巻きなんて。」
「80過ぎたババアだど、パジャマなど着るか。
変な夢でも見てさ。」
「それじゃ宝くじに当たった夢でも。」
「おや、待て。」
「どうしたの。」
「襖の間に猫がいた。」
「まあ、猫飼ってるんだ。」
「猫は猫でもババアのスパイだぞ。」
「そんなになついてるんだ。」
「あのババアは猫の仕草を見てさ、何があるか判断する。」
「それじゃ一身同体ね。」
「まさにその通り。」
「しかも一匹たげじゃない。」
「何匹いるの。」
「約三十匹位はいる。」
「えーそんなに、餌代だけで大変はでは。」
「メス猫一匹からそれだけ増えた。
自分のお気に入りは三匹だけで他の猫は家には入れないようにしてる。」
「まあ、こんな時はかわいそうじゃない。」
「勝手に家の中に入るよ。 猫だってバカじゃない。」
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