第1話

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ガチャ ドアを開けると玄関には佑の靴がある。でもその隣には淡いピンクのピンヒールが並んで置いてある。 誰?誰か来てるの? 心臓が尋常じゃないくらいドキドキしてる リビングのドアから部屋の明かりがもれてる。もしかしてお客さん? でも何の音もしていない 何故か息を止め、音をさせずにそ~っとリビングのドアを開ける テーブルの上には宅配のピザとビールや酎ハイの缶。 でも誰もいない。 胸が押しつぶされそうなくらいの不安が私に襲いかかる もう気付いてる。わかっているのにそこから一歩も動けない。 リビングの隣の寝室から聞こえる甘い声、吐息、佑の名を呼ぶ女性の声。 今すぐ逃げ出したいのに、そのドアに近付く自分 やめておきなよ もう帰った方がいい 心の中で別の私が叫ぶ。 カチャ 開けてしまった
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