243人が本棚に入れています
本棚に追加
/160ページ
健ちゃんの言葉に私の気分は一気に浮上して、
テンション高めに、午後の授業の準備をする。
「随分、楽しそうだね。」
林くんに話かけられて、一瞬戸惑う。
「あ、そう?」
「健ちゃんとデート?」
「……」
「図星だ。」
「そんなに嬉しそうにしてる?私。」
「まぁ、ウキウキしてる感じはする。」
「そうなんだ。」
「健ちゃんが羨ましいな。」
「え?」
林くんを見ると、ただニコニコしていた。
だったら、なんで別れたんだろ。
理恵ちゃんだって、きっとこんなふうに嬉しそうにするはずだ。
じゃなきゃ、あんなに泣いたり、
寄りを戻そうと頑張ったりしない。
おもいきって、理由を聞いてみようかな。
なんて思ってはみたけど、すぐに先生が来て、
結局聞けなかった。
最初のコメントを投稿しよう!