悩める男女

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「健ちゃん。 私は健ちゃんだけが好きだよ。 だから、付き合ってるの。」 本当のことはわからないけど、 そんなのどっちだって関係ない。 「ん。俺も。」 私のことを好きだから故のことだったなら、 上の空だった健ちゃんも可愛いもんだ。 「千奈美…」 「うん?」 「今すぐ押し倒したいんだけど。」 「ダメに決まってるでしょ。」 「じゃあ、家行こう?」 「デートじゃないの?」 「それはまた今度。」 「……」 軽く、睨んでみるけど、 「行くよ。」 行く先が真逆に変更されて、引っ張られる私の右手。 健ちゃんは、嘘みたいな満面な笑顔。 それなら、 「ま、いっか。」 一気に心が晴れたようで、 こういうとき、私は幸せだなって、強く思う。
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