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私達は手続きを済ませると、待合のソファーに座った。
「林くんも通ってるんだね。」
「そうだね。」
「知ってた?」
「うん、話してたし。」
「なのに、無視…」
「……」
自然と話さなくなった。
林くんはたぶん私と話さないよう意識してる。
私もわざわざ話し掛けたりはしないし。
「健ちゃんは安心してるか。」
「それはわからないけど、もう気にしてないと思う。」
だけど、よくうちのクラスにくる。
前よりも明らかにその回数は増えたかな。
「千奈美はいいなぁ。」
「何が?」
「モテて。
しかも、レベル高い人ばっか。」
そんな記憶はないけど?
「いつ、モテたっけ?」
「案外、本人はわからないのかもね。」
そんなこと言われても。
だって、私が告白されたのなんて、
後にも先にも健ちゃんだけだし。
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