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俺の朝は幼馴染みから始まる
時刻は午前7時。夜のうちにセットしておいた目覚まし時計のアラームが鳴る、ほんの数秒前。目覚まし時計があのけたたましい音が鳴り響く直前
「リリr((パンッ」
殴るようにして止められた目覚まし時計は少しへこんだがそれは俺のせいじゃない、幼馴染みのA子が俺を起こすためだ。
そして俺が起きる前に止めた目覚まし時計は見向きもせずに俺の顔をビンタするのであった。
ビンタというか殴られたといったほうが正しいかもしれない、それくらい痛いんだ。
「い、いってぇ!!」
「…おはよう」
「ああ、はよ…」
ここまでの会話で朝が始まる。
それからA子は俺を殴ったことに満足したのか何も言わず一人で学校に向かうのだ。
アイツ、一体何がしたいんだ…
俺を殴るのそんなに楽しいのか?
一度聞いてみたことはあるが何も答えてはくれなかった。
それから俺は問い詰めるのをやめた
A子は無表情だし、必要最低限喋ってるところ見たこともない。
昔はもう少しは明るかったような.
そんなことを思いながら母さんの作った味噌汁を啜(すす)る。
いつもと変わらない味に、いつもと変わらない今日が始まるんだと安堵するのだった。
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