本当の白衣の魔法

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>>>>>>> 赤い目で真田を見つめながら 一生懸命話す由美を見て、 真田は自分の気持ちを 抑えきれなくなっていた。 たまらずに由美を抱きしめ、 その唇に触れていた。 やさしく由美の髪を 自分の指でかきあげ、 由美の顔をみつめた。 「由美先生、僕の誤解でした。 由美先生のことを信じます。 これからも付き合ってくれますか?」 ゆみは無意識のうちに、 そして自然にこくんと頷いていた。 この時が、ふたりが本当の意味で 白衣の魔法にかかった瞬間だった。 この瞬間から、引き返せない 二人の時間が始まった。 >>>>>>> そしてその同じ頃に、 真田の自宅で 昼食をとろうとしていた百合子の箸が、 ボキッと、折れた。 折れるはずもないような、 ご飯をつかんだときだった。 「あら、やだわ。 何かよくないことがあったのかしら。」 百合子は1人で呟いた。 end
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