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非現実的な状況だと割り切ると意外にも頭が冷え、冷静になれた。
なんにせよ、その場に留まっていても仕方ないし進展もない。
ひとまずどこかに移動しようと改めて周囲を見ると遠くにぽつり、と見える建物らしき物があった。
人がいるかもしれないと思い、そこまで歩くことにした。
「にしてもなんかなー」
歩きながら隼羽はひとりごちる。
「ここ不気味過ぎっだろ」
赤黒い空に荒れ果てた大地。
魔界やRPGのラスボス戦の舞台として出てきそうな風景だ。
無音の状態で気を紛らわせる音もない。
それらの要素が不気味さとしてのし掛かってくる。
さらに見知らぬ場所に一人という状況も相まって恐怖心が膨らむ。
「……やべぇ、オレこんなビビりだっけ?しゃべってねぇと落ち着かないとか」
その結果、隼羽は一人でずっとしゃべりながら目的地まで歩いて行くこととなった。
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