第一幕 迷い人

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しばらく歩くとだんだん建物の外装が見えてきた。 「なんかの施設だったのか、ここ」 やや古びているが白い外装といい入り口の自動ドアといい、この建物がだれかの家ではなく何かの施設であることは明白だ。 近代的で比較的きれいな建物はしかし、この場では違和感しか感じられない。 不気味なので少し離れた場所から様子をうかがう。 自動ドアは固く閉じられ、人の気配はなく、がらんとしている。 「ここ、電気通ってなさそうだよなー。たぶん開かねぇだろうし裏口探すか」 こんな場所だ。 おそらく電気は通っていないだろう。 そう判断して裏口を探そうと入り口に背を向ける。 ついでに施設の周辺の探索でもしようと周囲をよく調べながら歩く。 「おや、迷い人かい?」 突然、声をかけられた。
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