第5話

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俺は走って寮へ向かった。 でけぇ。マンションじゃねえか。これをあの狸校長が?いや流石にねえか。 俺は自動ドアを抜けて1階のでかいフロアを見渡した。 初めに目に入ったのは、銭湯でもあるような馬鹿でかい富士山の絵画だった。 寮作ったの校長だったか。 次に寮長室が目に入った。 俺は寮長室へ向かった。 ピーンポーン 俺「すみません。いますか?」 ガチャ ?「.............」 出てきたのは マリモの巨人だった。 何年も切っていないと思われる髪で、顔の半分隠れている。見えているのは口元ぐらいだ。髭もはえている。 俺「転校生の榊木です。部屋番号教えてください。」 ?「チッ。めんどくせぇ。第一お前は、生徒会か風紀だろ?俺はそういう奴らが嫌いだ。それにきゃーきゃー騒ぐ奴らもな。」 いや、おかしいだろ。俺が舌打ちされる意味。 まず、生徒会でも風紀でもねえ。 俺「俺だって人間なんか嫌いです。でも必要最低限なことすら話せない猿にはなるつもりないので話してるだけです。あなたは猿ですか?」 ?「........入れ。」 俺は寮長室へ入った。 そこはすごい世界が広がっていた。 寝室は、メルヘンなぬいぐるみで溢れ、リビングは、宗教みたいな置物、エジプトで売ってそうな飾り物で溢れていた。 俺「最高。」 俺はこういった、摩訶不思議な置物が大好きだ。気持ちが落ち着くから。 気づいた時には遅かった。口に出してしまった。 ?「は?お前それ本気で言ってるか?」 俺「はい。こういったものがあると気持ちが落ち着きますから。」 ?「分かってるじゃん。俺は、宮川 空悟(みやかわ くうご)だ。転校記念に1つ持って行っていいぞ。」 と、前髪をかきあげながら、言う宮川さんは、いけめんだった。 俺「ありがとうございます。」 顔は無表情だが、声も優しくなり雰囲気も変わったことから、空悟は、本当に好きなんだなと察した。 俺は宮川さんに、寮の説明を受けた。
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