第1話
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「母さん、また何か作ってるの?」 「ええ。今日はケーキを作ってるの。ちょっとしたオリジナル作品よ」 サヨは楽しそうに顔を綻ばせると、またオーブンの中を覗いたりとそわそわしていた。 「あら、そういえば、お父さんにご挨拶はしてきた?久しぶりに帰ってきたんだからちゃんとしなくちゃだめよ?」 人差し指を立て、もう片方の手は腰に当てて、子供をしかるかのようなポーズで言われた。
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