579人が本棚に入れています
本棚に追加
/625ページ
その1.抱き枕になれ! / 第3話 ちゃんと温めとけよな
「う、嘘だぁ」
ほんとに? 本当の本当に一緒に寝るの?
ワシャワシャワシャワシャ頭上で手を動かしながら、わたしは必死に現実逃避しようとした。
脳内にはめこまれた玉岡くんの抱き枕発言に関する記憶を掻き消したくて、ひたすらワシャワシャ。
しかし、頭皮の傷が増えるばかりで一向に記憶が消える気配はない。
それどころか“なれって言ってるんだけど”という呆れ声が頭の中に反響するばかり。
「うわあああ」
わたしはいたたまれない気持ちでいっぱいになって、両手で顔をおおった。
最初のコメントを投稿しよう!