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此処はルグジアス大陸。
世界では失われた【魔法】の技術をまだ使える、有数の大陸だ。
この大陸の大半は森林が占めている。
そのとある森林の奥地に彼女は…犬の女獣人は暮らしていた。
まるで人目を避けるように。
彼女の白い体毛は美しく、容姿は淡麗で、純白のドレスがよく映えている。
そんな彼女のもとへ一人の狼獣人の男が訪れる。
といっても遠目で見えた程度だが、彼は体毛は漆黒でさらに黒いローブを着ていた。
普通だと恐怖を抱くかもしれない。
だが、彼女はどうしようもなく惹かれていくのだった。
──いますぐ行きたい…彼のところへ!
そう思うと同時に足は動きだし、彼の元へと向かう。
息を切らし、森を駆け抜ける。
耳元を通りすぎるそよ風がやけに気持ちが良い。
もっと早く!彼の元へ!
眼前に彼の黒いローブが見える。
彼女は勢いよく林を走り抜け、彼の前に飛び出した。
『ッはぁっはぁ…!あ、あのっ…』
『うぇっ!?』
彼は驚き、その場に尻餅をついた。
『あぁあ!ご、ごっご、ごめんなさいぃぃぃ!』
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