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「...約束」
え?
呼吸を整えながらも、私から視線を逸らそうとしない中大路君に、緊張が増す。
そして呼吸が落ち着いた時、中大路君は、深呼吸をして大きく息を吸うと、思いっきり叫び出した。
「俺もずっと昔から、柚歩ちゃんのことが大好きだったよ!」
「え...」
中大路君の叫び声に、一瞬シンと静まり返るグラウンド。
だけど次の瞬間、今日一番の歓声が響き渡った。
え...ちょっと待って。中大路君、今なんて言った?
私のことーー...。
カッと熱くなる顔。
そして、伝染したかのように中大路君の頬や耳も、みるみるうちに赤くなっていく。
「好きだったから...だから困らせてやりたかった。...俺に助けを求めてきてほしかったんだよ。本当、ガキだっただろ?俺」
嘘...本当なの?
「柚歩ちゃんが転校しちゃって、本当に後悔した。俺はなにやっちまったんだろうって。...好きだったのに、なにやってたんだよって」
これは本当なの?だって中大路君は、ずっと私のことが嫌いだったんじゃないの?
だから私を仲間外れにしたんじゃないの?
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