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いまだに中大路君の話が信じられなくて、私はただ中大路君を見つめることしか出来なかった。
「もう会えないと思っていた。...なのに、こうやってまた再会できた。すっげぇ嬉しかったのに、柚歩ちゃんは、俺のことなんて忘れていてさ。...ショックだった。だから今度は絶対俺のことを好きになってもらおうって思った。...好きになってくれたら、全部打ち明けようって。...これが俺の復讐。俺のことを忘れちゃっていた柚歩ちゃんへの復讐だった。本当はすぐに謝ろうと思ったけど、なんか悔しくてさ...忘れられていたのが」
中大路君...。
すると中大路君は、深々と頭を下げ出した。
「えっ、中大路君!?」
「本当にごめん...。ずっと後悔していた。だけど、俺が思っていた以上に、柚歩ちゃんのことを深く傷つけちゃっていて、本当にごめん」
いまだに頭をあげない中大路君。
「だけど俺、柚歩ちゃんが好きなんだ。...昔からずっと。...誰にでも優しくて、笑顔が可愛かった柚歩ちゃんがマジで大好きだった。だからあの日も、リレーで一位になって、そのまま柚歩ちゃんに告白しようって決めていたんだ」
ゆっくりと頭をあげて、私をまた見つめてくる中大路君。
私の胸は、キューっと苦しくなる。
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