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「だけど柚歩ちゃん、転んじゃって、負けちまって。...マジでガキだったと思う。なんかすっげぇ悔しくて、あんなことしてさ...」
もう、いい...。
「俺だって、アンカーのくせに全然ダメだったのに、全部柚歩ちゃんに責任押し付けて、みんなを柚歩ちゃんを無視するよう誘導してさ。...本当、最低だったよ」
もういいよ...。
だって中大路君、今にも泣きそうな顔をしているんだもん。
「だから、このリレーでは絶対に一位になって、今度こそ柚歩ちゃんに告白しようって決めてた。...なのに、昨日聞かれちってさ。...もうだめだ。完璧嫌われたって思って...。走る前から思い出されちまったら、柚歩ちゃんは絶対に走ってくれないと思っていたから...」
そっか。
だから今朝、あんなこと言っていたんだ。
「だからさ...さっきの、すっげ嬉しかった。俺、あんなひどいことばかりしたのに、それでも俺のことを好きだって言ってくれて、本当に嬉しかった」
「中大路君...」
絡み合う視線。
さっきよりも一層と高鳴る鼓動。
「俺、もう絶対に柚歩ちゃんのこと、傷つけたりしない。...柚歩ちゃんのこと、守っていくから。...だから、俺と付き合ってくれませんか?」
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