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その言葉を聞いた瞬間、また涙が溢れてきてしまった。
だって、こんなに嬉しいことなんてないから...。
ずっと嫌われていると思ってた。
憎まれていると思ってた。
なのに、そんな中大路君が私のことを『好き』って言ってくれている。
そして、『付き合ってくれませんか?』って言ってくれている。
こんなに嬉しいことなんて、ないよーー。
「...柚歩、ちゃん?」
いつまでも返事をしない私の顔を、心配そうな面持ちで見つめてくる中大路君。
そんな中大路君に、私は涙を拭い笑顔で答えた。
「...はい!」
中大路君が大好き。
昔の自分に言ってあげたい。
“私...頑張ったよ”って。
「柚歩ちゃん...」
次の瞬間、急に私の視界は変わり、目の前には青い空と、そして嬉しそうに私を見つめる中大路君の顔。
そしてまたより一層騒がしくなる歓声。
「なっ、中大路君!?」
嬉しいけど、こんなみんなの前でお姫様抱っことか、すごく恥ずかしい。
「手当てしないと」
あっ。そうだった。
私、転んで怪我しちゃっていたんだっけ。
そんなことも忘れてしまっていた。
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