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「だっ、だめだよ中大路君!美奈には好きな人がいるんだから!」
「えっ?」
「だから、えーた君が告白する前に止めないとっ」
直ぐ様ふたりの後を追いかけようとしたけど、中大路君に腕を掴まれてしまった。
「大丈夫だよ、柚歩ちゃん 」
「え?」
大丈夫?
中大路君は、笑顔のまま言葉を続ける。
「えーたの奴、意外にメンタル強いから。それにきっと、一回振られたくらいで諦めちゃうような気持ちじゃないと思うし」
「...そっか」
私が中大路君を好きなように、えーた君も美奈のことが、すごく好きなんだよね、きっとーー。
「それに...」
そう言いかけると、なぜか私の手を握ったまま、中大路君は距離をぐっと縮めてきて、耳元でそっと囁いた。
「昨日の俺達みたいに、明日にはどうなっているか、分からないでしょ?」
「中大路君...」
離れると、今度は愛しそうに私を見つめてくる。
「うん...そう、だよね」
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