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「あーもう、本当にムカつくんだけど!中野柚歩!」
「同感!うちら一年の時から王子のこと好きだったのに、許せないし!」
...どうしよう。
怖くてトイレから出られない。
あの中大路君からの突然の告白から三日が過ぎた。
昼休みの教室で行われた告白は、瞬く間に学年中に広がってしまった。
そして、中大路君ファンの耳にも。
「大して可愛くないくせして、いい気になりすぎ」
「どーせ王子の気まぐれでしょ?ずっと浮いた話なんてなかったし!」
「きっとそのうち相手にされなくなるよ」
「言えてるー!」
そして聞こえてきた大きな笑い声。
すっごい言われよう...。
「柚歩ー!さっきの人達、もう行っちゃったから、出てきて大丈夫だよ」
ドアの向こうから聞こえてきた美奈の声にホッと胸を撫で下ろし、トイレから出る。
「大変だね、有名人は」
「本当にもう勘弁してほしいよ」
困っているというのに、なぜか美奈は楽しそうだし。
「でもさ、あの時の王子君の告白、かっこよかったなぁ...」
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