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下駄箱を開け、そこに入っていたものに憤懣した。
花柄の可愛らしい封筒に、小さめの赤いハートのシールが貼ってある、いかにもな手紙だ。
衝動的にそれを引きちぎり、破り捨てる。
床に散らばった紙切れを拾う作業は、思いの外恥ずかしい。
これもすべてあの馬鹿のせいだ。今度という今度はもう許さん。
完膚なきまでに叩きのめしてやる。
紙屑をゴミ箱に押し込み、眉を顰める。
ゴミが溢れていることにまた、怒りを覚えた。
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