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目を覚ますとずいぶんと日射しがきつかった。
壁一面のガラス越しに眩しい光が差し込んでいた。
奈々は感動してたけど、本当にこのサッシは厄介だった。
ブラインドは付いているが、もともと擦りガラスだから中も見えねえし、面倒だから上げ下ろしはしていない。
昼に近い眩しい朝に目をしばたかせ、目を慣らそうと思ったが再び目を閉じた。
奈々がいたら
『キレイ…』
そう言ってあのサッシから洩れる光を見つめるだろう。
『ねえ、直人くん見て』
俺は眠い目をこすって見慣れた窓を寝ぼけながら見つめるんだ。
『きれいだね』
奈々の笑顔がすぐ隣。
ああ
これは夢か現実か…
俺はかなり重症らしい。
夢にも現実にも奈々がいて
夢と現実の合間(アイマ)にも…
…奈々がいるなんて。
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