第1話

自然への憧れ

何となく想像していただいたかもしれませんが、私は出無精でした。

ふつうに考えたら分かると思いますが、みんなに嫌われている（と思っている）ので、当然、外は敵だらけです。
危なくて防弾チョッキでも着ないと外に出られないよ。
なんて気概があったら少し変わったかもしれませんが、当時の私はそんな気概もありません。
人が怖かったんですよね。とにかく。

まるでシンデレラ。
大人の階段上る筋力がなかったんです。
筋トレの代わりに、環境を替えるための自分探しに出ることになります。

室内犬が室外犬に変わったと言うことです。
しかもまずいことに、その犬は同じ犬を見ずに、変わった外の環境の方ばかりに目を向けてしまった。

ところで煙と何とかは高いところが好きって言いますが、私もそうなんですかね。