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通り雨:
雨が降り始めた
ぽつりぽつりと
僕は思わず走り出す
雨から逃げ出すために
しかし雨はどこまでもついてくる
木々たちは雨が止むのをじっとこらえて待っていた
僕はこんなに強くない
僕はさらに走ってく
しかし雨はどこまでもついてくる
明るい光が漏れる家からは
子どもがはしゃぐ声が聞こえた
「おやつの時間」
と待ちきれない声だった
僕の目から涙が溢れ
雨は強さを増していく
暖かい飲み物がほしい
傘がほしい
そう思って必死で走って 走って
ふと気付けば道を行く人も走ってた
いつぶつかってもおかしくなかった
ラジオの天気予報が耳に入る
雨のち晴れ
上空を覆った雲に切れ目が入った
僕が立ち止まると
雫が一粒落ちて
眩しい光を
四方に放った
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