命の価値

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私は普通の高校生活を送っていた… 日本と言う平和な国に生まれ、当たり前のように食べ、当たり前のように学校に通い、当たり前のように遊び、当たり前のように平和にくらしていた… 同じ事の繰返し、その平和に退屈すら感じていた… そう…あの機械が家に届くまでは… 「おはよ…」 「加奈、今何時だと思っているの?遅刻するわよ」 寝ぼけ眼の私を見て母は何時もの台詞を言う。 私はアクビをしながらパンをくわえ、家をでる…これが何時もの行動パターンだ。 特別頭もよくなく、運動もできた訳じゃない私は小、中と地元の学校に通い、今通っているのも地元の県立高校だ。 教室には見るのも飽きたクラスメイト、中学時代からの友達も少なくない。 高校に入ってから皆急に背伸びをしはじめ、話題と言えば化粧品や洋服、そして異性の事… 誰がカッコいいとか、彼氏とどこまで行ったとか… 皆早くバージンを捨てたがっていた… 私はこんな生活に退屈していた… 「おはよー加奈~」 私が教室に入ると、何時ものように一花が話しかけてきた。 一花は中学時代からの友達で、親友と呼べる存在だ。 加奈「おはよー」 私も挨拶を返し、下らない話をはじめた。 一花「ねー加奈あれ見てよ、また中嶋の奴イジメられてるし」 中嶋とは私のクラスメイトで、何時もイジメられている男子だ。 イジメと言っても酷く殴ったりする訳じゃなく、軽く小突いたり、飲物やパンを買わせたりしているだけみたいだけど…立派なイジメだし、陰険だよね… 噂では中嶋はいわゆるオタクって奴で、ロボットや女の子のフィギュアが好きで、集めているらしい…それを知ったクラスの男子がそれをネタにイジメているとか… 人が何集めようが勝手だと思うけど…ほんと下らないことでイジメてる。 学校が終わると何時もの様に一花と適当に寄り道して別れた。 加奈「ただいま」 「お帰りなさい、あんた荷物届いてるけど、あんなに大きな物買ったの?持ってきた人運の苦労してたわよ」 加奈「はぁ?」 私は母が何を言っているのかよくわからなかったが、階段を上がり部屋へと向かった。
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