恋人の裏切りを知ったとき

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夜でもまだ蒸し暑く、生暖かい風が千香の頬に当たった。 ずっと堪えていた涙がこぼれ出る。 千香は手の甲で涙を拭くと、未練を振り払うように深呼吸して歩き出した。 「千香! 待って!」 陽太の声が聞えて、千香は振り返る。 「送ってくよ」 陽太は申し訳なさそうな顔で言った。 「いい。一人で帰るから」
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