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駅に着いても、電車に乗ってまっすぐ帰る気にはなれなかった。
家に帰れば亜里沙がいる。
今は亜里沙と顔を合わせたり、口をきくのが嫌だった。
だけど行く当てもない。
夜11時を過ぎているので、女が一人で行ける場所は限られる。
千香は改札の手前で立ち止まって携帯を取り出し、登録してある友人の名を順番に見ていった。
ふと、智和のところで目が留まる。
智和とは亜里沙も一緒に三人で、一度だけ会ったことがある。
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