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千香に合わせるように、智和も神妙な顔になる。
「そうなんだ……」
「そう。彼には彼の人生があるし」
「でも彼の方は、千香さんとの復縁を望んでたんだよね?」
「さぁ、どうだか。とにかく、もう会わないことに決めたから」
千香はライブを観に行った日のことを思い出す。
あの日、観客席の最前列に奈緒子がいた。
陽太と奈緒子の関係が、どうなっているのかは分からない。
確かめる気にもなれず、千香は自分の心の中だけで決着をつけ、陽太に連絡していなかった。
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