親友

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亜里沙と美佐は、二時間くらい飲んで別れた。 ダンス担当の実情を知った亜里沙は、苦い気持ちでいっぱいだった。 美佐と対峙していた最中は気丈に振る舞っていたが、一人になった途端、その場で泣き崩れそうだった。 沈み切った心を引きずって電車に乗り、何とか自宅に辿り着く。 古いワンルームマンションの玄関に入った直後、こらえていた涙が頬を伝った。 靴を脱いで駆け込むようにベッドまで進み、ベッドに突っ伏して泣いた。 どんどん溢れ出す涙がベッドカバーに染みを作る。 苦しい気持ちを吐き出すように、亜里沙は一人の部屋で思い切り泣いていた。
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