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千香は亜里沙を見つめ、もう一度訊ねる。
「もし二人から交際を申し込まれたら、どっちを選びそう？」
「なんか自分でも意外なんだけど、選べない……。っていうか、今すぐには答えられない」
「亜里沙が迷うなんて、私も意外。でもそれだけ、その先輩に魅力があるんだね」
「陽太のことは本当に好きだった……。陽太と付き合えるなら、誰を敵に回してもいい！と思った時期もあったんだよね」
「うん」
千香が穏やかな相槌を打ち、亜里沙も静かな口調で続ける。
「でも今はね、もう過去のことなんだ、って気がする」
「気持ちが冷めたってこと？」
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