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毅の顔が悲しげに歪んだ。
「そうか」
「ごめんなさい」
「やっぱりフラれちゃったな。そうだと思ってたよ」
毅は無理して明るい声を出した。
深々と頭を下げる亜里沙。
「そんなに謝らないでよ。亜里沙ちゃんは何も悪くないんだから。もう会えなくなるのは淋しいけど、陰ながら応援してるよ」
少しも責めない毅の優しさが心に沁みる。
思わず泣きそうになった亜里沙は、涙をこらえて唇を噛んだ。
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