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吐息がだんだんと感じ取れるようになり、男は焦っていた。
夕日が窓から差し込み、彼を照らしている。
反対に彼の前に佇む少女は、逆光を浴びている。
「大丈夫…………すぐ終わるから…………ね?」
小さな声で彼に詰め寄っていき、やがて唇を静かに重ねた。
「う…………うあああああ!!!!!」
それは唇が深くぶつかり合ってから数秒後の出来事だった。
男は苦しみもがき倒れこむ。
「ごめんね、ダーリン」
その身体が起き上がることは二度と無かった。
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