壱と運命ー①

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ため息すら出ない。 ツッコミ疲れだ。 しかし大丈夫だろうか? 都市伝説一つ相手取るのは大変なこと。 なのに、人間にさえ疲れた。 これはまずいのかもなあ。 「席つけー」 「一賀井先生のおでましか…………」 「起きろ小研ー。知らない先生のホームルームが始まるぞー」 籐桐は一賀井に会ったことがない。したがってこの反応はしょうがない。 一賀井は出席簿を取り出し、第一声にとんでもないことを言い出した。 「久我先生が体調不良の連続ということもあって、担任を下りられた」 「「「ええええええ!!!」」」 「てなわけで俺、一賀井 久弥が担任を務めることとなった」 それを聞いて突如ざわざわとし始めたクラス。 でも聞こえてくる声は、 「それならいいよね」 「一賀井先生嫌いじゃないし」 そんな言葉の中に混じって聞こえるのは、 「転校生来るってホントかな!?」 「女の子なんだってさ!」 というものであった。 涼は半分興味深い表情を浮かべ、うずめた左目でそちら側を見た。 (ある意味栗瀬がいなくて良かった………。どうせまた色目使ってるとか言ってくるんだろうな………)
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