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ため息すら出ない。
ツッコミ疲れだ。
しかし大丈夫だろうか?
都市伝説一つ相手取るのは大変なこと。
なのに、人間にさえ疲れた。
これはまずいのかもなあ。
「席つけー」
「一賀井先生のおでましか…………」
「起きろ小研ー。知らない先生のホームルームが始まるぞー」
籐桐は一賀井に会ったことがない。したがってこの反応はしょうがない。
一賀井は出席簿を取り出し、第一声にとんでもないことを言い出した。
「久我先生が体調不良の連続ということもあって、担任を下りられた」
「「「ええええええ!!!」」」
「てなわけで俺、一賀井 久弥が担任を務めることとなった」
それを聞いて突如ざわざわとし始めたクラス。
でも聞こえてくる声は、
「それならいいよね」
「一賀井先生嫌いじゃないし」
そんな言葉の中に混じって聞こえるのは、
「転校生来るってホントかな!?」
「女の子なんだってさ!」
というものであった。
涼は半分興味深い表情を浮かべ、うずめた左目でそちら側を見た。
(ある意味栗瀬がいなくて良かった………。どうせまた色目使ってるとか言ってくるんだろうな………)
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