第16話

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でもその手の重みが嬉しくて。 「ここ、開くようになってるんです。 すごいですよね、蒼菜さんこんなこと考えつくなんて」 段ボールは横から開いて降りられるようになってる。 「あ、オオカミさんちょっとすみません」 そこにいると――。 ぶつかっちゃうって言おうとした時。 「遅い……」 少し開いた箱の隙間からオオカミさんの腕が回ってきて。 わたしの身体はふわりと浮いた。 「きゃっ……っ!」 オオカミさんの腕に、胸の中にすっぽり収まるこの感じ。 ドキッとした。 ――お姫様抱っこ……。
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