第16話

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熱い眼差しが――心の中でうずく。 「さっきのもう一回して」 「え……?」 ――さっきの? 慣れない立ち位置と状態に、戸惑いながら考える。 さっきの? 「はぁ……無自覚……?」 オオカミさんはわたしの手を首から自分の頬に移動させた。 「あ……」 オオカミさんが何を言ってるのかわかって。 ――うわ、急に恥ずかしくなった! 自分のしたことを思い出す。 「真っ赤になってもだめ」 ふっと笑ったオオカミさんは、そっとわたしを引き寄せる。 オオカミさんの顏が少し下にあるって言うだけで。
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