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顔が近いから、本当に小声で言ったけど。
オオカミさんは、何も言ってくれない。
ただ恥ずかしい。
でも、この状態のままでいるのも恥ずかしい……。
近くてきっと、わたしの心臓の音が聴こえちゃう。
目の前にオオカミさんの唇。
少し上目遣いのオオカミさんの目。
形の良い、すっとした鼻。
全てがパーツでしか見えないくらい近い距離。
恥かしいだけじゃなくて、もったいないような気がする……。
もっと近くでこうやって見てたい。
でも、わたしも――全然足りない。
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