第16話

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*――オオカミ――* 自分の腕にかかる重みが心地いい。 さらりと流れる髪を撫でると、ぴたっとくっついてくる赤ずきん。 ――何から話せばいい? 何も考えていなかった。 正直、ここに赤ずきんが来るとは思わなかった。 赤ずきんから動くことはないだろうって、どこか甘く見てたんだな、オレ。 大人しそうで、無垢な顔をして。 それでも大胆なところがあるのは、気づいてたのに。 何度もこの強さに、嬉しい笑いがこぼれたことがあったんだ。 さすがに、箱に入ってくるとは思わなかったけど。 ――しかも……段ボール……。
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