第16話

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何かを思って、でもじっとオレの言葉を待つように、芯の強さを見せてくる……。 「連絡しなくて悪かった」 謝ることしかできない。 オレの見てないところで、たくさん悲しい想いをさせたんだってわかるから。 さらりと髪が指の間から落ちる。 赤ずきんは小さく頷いただけで、何も言わない。 オレからの言葉を待ってるんだ。 「声をかけられなくてごめん」 パーティ会場での、赤ずきんの悲しげな表情が、頭から離れなかった。 「蒼菜と行く予定だったんだ、あのパーティ」 「――蒼菜さんと?」
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