第16話

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「そう。でも京都に行くことになって、蒼菜にも行くなって言ったんだけど。 まさか――雫を連れて行ってるとは思わなかった」 オレも、貴和子夫人と行くことになるとは思わなかった。 あの日、想定外のことが多すぎた。 何から話せばいいのかも、まだまとまってないけど。 きっと一番に話さなくちゃいけないのは――。 ――どう考えても仕事の話か……。 一番言いたくなくて、避けてきたこと。 何かが変わるのが怖くて、言い出せなかったこと。 でも、きっと大丈夫だ。 赤ずきんなら。 「まず、オレのことから話そうか……」 「――はい……」
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