第16話

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そっと触れた唇はすぐに離れて。 「ああ、もうっ」 恥かしいのか、枕に顔を埋める赤ずきん。 本当は捕まえてやろうと思ったのに。 うつ伏せになった肩のラインがあまりに華奢で。 思わず手を伸ばした。 これをいつも乱暴に抱いてるんだな。 しっとりとしているのに、すべすべで。 手触りがいい。 オレの手の平で背中の半分は隠れる、小さな背中。 白くて柔らかい肌に――。 思わず、口づけをする。 「くすぐったいです……」 枕から顔をちらっとだして訴える赤ずきんに、思わず笑ってしまう。
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