第16話

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「オオカミさん?」 急に黙ったことに疑問を感じたような声。 「雫は、夢とかあった?」 すぐに伝える気にもなれないな。 「――わたしは、……」 なにか言いにくそうな反応。 「まさか、お嫁さんとか?」 言いそうだなって思ってつい笑ってしまう。 「うー、ちょっと違います!」 拗ねたのか、もぞっと動く赤ずきん。 「――でも、ちょっとしか違わないんだ?」 髪を撫でながら、続きを促す。 「雫は、何になりたかった?」 「えっと、なりたかったっていうか……いまでも、変わらないんですけど……。笑わないでくださいね!」
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