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妙な緊張感のある沈黙が続く。
「今日のところは、失礼します……」
カツカツと響くヒールの音。
すぐ横を通る気配に、身が縮こまる。
――ガチャッ……バタン。
外の世界で何が起きてるのかわからないから、緊張する。
今思ったけど、もし、このままオオカミさんが開けなかったら……。
――恥ずかしい……。
足音も、気配も感じない。
オオカミさんがいるのかもわからない。
だんだん怖くなって、動きたくなる。
動いちゃだめだよって、蒼菜さんに言われたけど……。
狭い箱の中、そっと手を伸ばす。
この向こうに、オオカミさんが――。
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