第16話

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クスッと笑うオオカミさん。 いつの間にか緊張よりも、恥ずかしさの方が勝っていて……。 顔が熱くなる。 「よく、来たな……」 ぽんっと、頭を撫でられる。 すっと、そのまま頬にオオカミさんの手のひらが添えられる。 「来て、良かったんですか?わたし……」 オオカミさんの手の熱が夢じゃないんだって思えて、トクントクンと心臓が動き出す。 「来てくれて助かったよ。こうでもしなきゃマジで会えないとこだった……」 オオカミさんの親指がわたしの頬を優しくなぞる。 ――夢じゃない。 本当に、来てよかったんだ……。
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