第11話

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*――赤ずきん――* 〈お風呂が沸きました――〉 突然聞こえた機械音の女性の声に、がバッとオオカミさんの肩から頭を起こしてきっちり座りなおしてしまった。 「じゃあ、先入ってるから。 ――覚悟で来たら入ってきて」 たっぷり溜めて言われた言葉にコクコクと頷く。 そう言って立ち上がろうとしたオオカミさん。 でもすぐに腰を下ろして、私に向き合う。 「無理強いとかする気ないけど、のぼせたくないから。 ――あまり待たせないでね?」 小首を傾げて、ニコッと笑うとチュッと頬にキスして歩いて行ってしまった。
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