第11話

19/39
前へ
/39ページ
次へ
「あの……はいるんで、ちょっとむこう向いていてくれますか?」 その怯えたような声に、ざっと体の向きを変える。 「いいよ」 気にしないで入ってくればいいなんて、言わない。 ――赤ずきんは男と風呂に入ったことがないんだって思ったから。 ガラガラッと開いたドア。 ペタペタっと足音。 少し躊躇ったようだけど立ち止まった。 「シャワー、使いますね」 「使い方わかる?」 なんだ、この妙な緊張感は――。 オレまで赤ずきんのペースに引き込まれてる。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2163人が本棚に入れています
本棚に追加