第11話

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*――――* タクシーの中、南ちゃんと別れて二人になったわたしとオオカミさん。 指先を絡めながらタクシーに乗っていた。 運転手さんに、オオカミさんのマンションの住所を告げてから、オオカミさんは時折指を動かすだけで、話しかけてくれない。 わたしからもなんか――話しかけようとは思えなくて。 気まずいとか話したくないんじゃなくて、この空気感を大切にしたくて。 運転手さんも、特に会話を振ってくることもなく、街頭の光がオオカミさんの顔を照らしては通り過ぎていく。 ただ、幸せだって思えた。 時折動く指先がわたしを呼んでくれていて。
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