第11話

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*――赤ずきん――* 湯船の中は少し明るい。 オオカミさんの水にぬれた背中が色っぽくて――。 身体だけは先に洗いたいから後ろを向いてもらった。 それでも、いるっていうだけで体に巻いたタオルがなかなか外せない。 シャワーのお湯がちょうどよく調節する手が少し震えてる。 ――緊張しすぎ……。 オオカミさんが見てないのを確認して、そっとタオルを横にかける。 今、こっちを見られたら、――たぶん叫ぶと思う。 何度も何度も、オオカミさんのことを気にしながらボディーソープの泡を体に乗せていく。
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