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さっきまで遠くにいたオオカミさんが、すぐ隣にいる安心感がここにはある。
大通りから外れたオオカミさんのマンションまで、あっという間だった。
カードでタクシー料金を支払うオオカミさん。
「ありがとうございました」
タクシーの運転手さんに声をかけると、開かれたドアからわたしは外に降りる。
指先に残る温もりに思わず自分の手を添える。
左手は冷たくて、オオカミさんの温もりが消えそう――。
「行こう」
立ち止まっていたわたしの手をとると、オオカミさんはマンションに向かって歩き出した。
たった一晩会ってないだけなのに。
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