第11話

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歩いてる時にくいっと引かれた腕。 反応してオオカミさんを見上げる。 ――キスだ。 そう思ったときには唇には、オオカミさんの感触があって。 目を閉じる。 唇に触れてる温もりだけが、この世界のすべてだって思ってしまうくらい――。 時間にすると、数秒のキス。 すぐに離れた唇を思わずみつめてしまう。 「まだ欲しいの?」 唇を見ていたわたしは思わず頷いていた。 「そか……じゃ、続きは、部屋に行ってから――」 少し満足そうなオオカミさんの笑顔がとても暖かい。
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