第11話

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*――オオカミ――* エレベーターから降りて、そのまま部屋まで赤ずきんの手を握っている。 ――こんなに、ずっと触れていたいと思ったことがないから正直自分の中に戸惑いはある。 買い物に行く短い時間でも手をつなぐ意味が分からなかった。 正直そういうのは鬱陶しかった。 なのにいまならそんな短い時間でも手を伸ばしてしまいそうだ。 部屋のカギを開けて、玄関に赤ずきんを通すと、すぐにでも抱きしめたくなる。 靴を脱いでる赤ずきんと目が合って、恥ずかしそうな顔をされると、どんどん気持ちが高ぶっていく。 靴を脱ぎ終わった赤ずきんを後ろから抱き締める。
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