第3.5のゲーム

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「な、なぁっ。聞いてくれ」 柳川が重い声を上げた。全員柳川の方を見る。 「あのっ、まだ勝ち抜きが決まってない奴らみんなで幸村に投票しないか? そうすれば、勝ち抜きが決まった奴らは好きなようにいれるだろうけど、幸村には少なくとも7票入る。31分の7入れば幸村に決まったようなもんじゃん」 なるほど、幸村を犠牲にして自分らはぬくぬくと勝ち抜けようってこんたんか。 まあ、確かに幸村なら歯向かわないだろうからな。 「えっ、そっ、そんな…」 柳川が言った内容を信じられ無いのだろう。幸村が可愛い顔を悲しそうに歪ませている。 「あっ、それいい…かも」 茶髪をかきあげながら綾先も同意する。 「たっ、確かに」 「そうだね。そしたら、俺たちは勝てるな」 どんどん他の勝ち抜きが決まっていない死刑囚達も柳川に同調し始めた。 このままだったら幸村相当ピンチだな。 幸村は相変わらず悲しそうな顔でうつむいていた。 その目から涙がこぼれているようだ。 「じゃあ、そうと決まったらさっさと書いちゃおうぜ」 元気になった柳川が投票用紙を手にとった瞬間、俺は立ち上がった。 「ちょっと待てゴミども。お前らいつまで逃げるつもりだ?」
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